インテルが狙う5G市場

2020-08-31

インテルが狙う5G市場

5Gでおこるパラダイムシフトが生み出す市場を狙う企業は多いですが、インテルも5G市場に注力している企業。

しかも、5G市場の全方位戦略を実行しているようです。

目次【記事の内容】

インテルが狙う5G市場

インテルは、5G向け半導体市場の全方位戦略を実行しているようです。

  • サーバー向けのプロセッサーと新世代メモリー
  • 5G基地局向けのプロセッサー
  • SoC向けASIC
  • 5Gに最適化したNIC
  • さらにこれらを組み合わせたローカル5G市場

サーバーの5G市場

AIをビジネスで活用するには、正確なデータを大量にタイムリーに処理しなければなりません。

当然、サーバーの負荷も重くなります。

インテルは既にサーバーのCPU市場で主要プレーヤですが、ここで攻勢に出ようとしています。

CPUだけでなく、次世代メモリーでサーバー全体のパフォーマンスを上げて差別化するようです。

5G基地局の市場

5Gではこの市場が主戦場かもしれません。

5Gの普及で生まれる、末端の膨大なデータをそのままサーバーに送ったのでは、どんなにサーバー性能を上げても限界があります。

そこで、エッジコンピューティングという考え方が生まれ、5G基地局のコンピュータでデータのフィルタリングをさせます。

インテルは、ここのCPU市場にも狙いを定めています。

ローカル5G市場

スポーツ競技やコンサート、イベント会場などで爆発的に増加するビデオストリーミングを処理するには、ローカル5Gの処理能力が必要です。

また、工場でAIロボットを稼働させるには、膨大なデータを処理させる必要があります。

ここがローカル5G市場と言われているようです。

ローカル5Gのメリット

企業にとってローカル5Gを導入するメリットは、5Gの特徴である高速・低遅延の通信が手に入ることと、セキュリティが確保できることです。

  • 高速・低遅延
  • セキュリティの確保

高速・低遅延

5Gの特徴である高速・低遅延の通信が手に入いります。

膨大なデータ量を処理しなければならないスポーツ競技、コンサート、ゲームイベントなどの会場では、顧客にストレスなく映像を配信する必要があります。

工場でAIロボットを稼働させるには、高解像度の映像データを大量に消費します。

ローカル5Gはこれを可能にします。

セキュリティの確保

ローカル5Gは文字どおり「ローカル」なので、クラウド環境のように社外の環境にデータが出ることなく使えます。

セキュリティに敏感になっている今の時代に、企業にとっては強力なメリットが得られます。

ローカル5Gであれば、ローカルの中では大量のデータを高速に処理させ、セキュリティのフィルターを通過できるデータだけをクラウドに転送するということも可能です。

製造業であれば工場の中は「ノウハウのかたまり」。デジタル化が進めば、ノウハウの重要性はますます高まり、データ漏洩の危険も増します。

ローカル5G技術はこの対策を提供できそうです。

インテルの強み

インテルといえば、パソコン黎明期で一時代を築いた半導体メーカー。CPU市場で、常にトッププレーヤーとして君臨してきた実績があります。

  • 半導体技術
  • 全方位

半導体技術

5Gでは基地局に高性能CPUが必要です。新しく、しかも大きなCPU市場が出現しました。

近年、スマホやIoTなどパソコン用よりも小型のCPU市場では分が悪かったインテルですが、この市場では強みを発揮しそうです。

この市場を、インテルが無視することはなさそうです。

全方位

5Gを支えるネットワークは大規模、複雑化するため、設定変更やトラブルが生じた際、技術者の対応では限界が出てきます。

これを解決するためには「自動化」が必須になり、自動化のためには必要なデータを収集しAIでの分析が最適です。

「自動化に必要なデータ」は、「CPUやメモリーなどの細かい粒度でコンピューターおよびネットワークの様々な状況を取得」ことであり、つまり半導体メーカーが持っていることになります。

ここにインテルの強みがありそうです。インテルでは「オーケストレーション&オートメーション」と謳っています。

CPUやメモリーなどの半導体から、正確なデータを取り出してAIに分析させれば、予防保全、故障時の検知から復旧までの自動化、トラフィックを予測し消費電力の自動制御も可能です。

AIで自律稼働ネットワークが実現できることになります。

インテルは、パソコンなどのクライアント側CPU、5Gのエッジ側CPU、サーバー側のCPUとすべての半導体市場をカバーできます。

インテルの5G製品

インテルが出した5G市場製品。

  • 第2世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー(Code name: Cascade Lake)
  • インテル Optane DC パーシステント・メモリー
  • Atom P5900
  • Diamond Mesa
  • Ethernet 700シリーズ

第2世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー(Code name: Cascade Lake)

サーバー向けCPU。

画像認識、音声認識、自動運転などAIを使って処理を行う推論プロセスであるインテル ディープラーニング・ブースト技術などを搭載。

インテル Optane DC パーシステント・メモリー

5G時代の新世代メモリーとしてインテルがデータセンター向けに提供。

SSDよりも高速でDRAMより安価。

「Optane DC パーシステント・メモリー」は「不揮発性なので」電源を落としてもデータが消えません。「SSDに代わる」ということなので当然とは言えますが。

これにより、システム障害からの復旧時間を短縮できます。

高速である理由

「Optane DC パーシステント・メモリー」は、CPUの近くに置く「大容量のメモリー」なので、必然としてデータ処理スピードが高速になります。

これができるのも、インテルがCPUも作っているからなのでしょう。

Atom P5900

5G基地局向けのCPU。

5G基地局で新たに求められる高帯域幅や低遅延化に対応することを目指して設計された、10nmベースのSoCのSoC(システム オン チップ)。

5G基地局はエッジコンピューティングの技術が凝縮される場所。

5G基地局のプロセッサーは、クラウド(サーバー)側の負荷を軽減する役目があります。

この市場は、5Gビジネスを狙う半導体メーカーが避けて通ることはできない市場かもしれません。

サーバの負荷分散処理を行う技術「インテル ダイナミック ロード・バランサー」によって、パケット処理のスループット向上。

演算負荷が大きな処理を高速化する「インテル QuickAssist テクノロジー」によって暗号化スループットを向上。

Diamond Mesa

5G通信に必要な高パフォーマンス性と低遅延を実現する、インテル初のSoC向けストラクチャードASIC。

インテルが2018年に買収したeASICが開発に関わっています。

用途は、5Gインフラの他、データセンター、組み込みシステム、航空産業といった領域での活用も想定できるとのことです。

5G市場で「全方位戦略」を選択したインテルにとって、自社にないがどうしても欲しかったのかもしれません。

Ethernet 700シリーズ

5Gに最適化した次世代のNIC。

5Gの「低遅延」を実現するための機能を搭載。

GPSベースのクロス・ネットワーク・サービスにハードウェアベースでの機能強化を図ったPTP(Precision Time Protocol:ネットワーク全体のクロック同期を行う通信プロトコル)を搭載し、ネットワーク全体の正確な時刻同期を維持することで5G通信の遅延を防止。

まとめ

インテルの5G半導体市場戦略は全包囲網。

サーバーを、トータルな技術でパフォーマンスアップ。AIで自律稼働ネットワークを実現。

5G基地局を、AIで自律稼働ネットワーク実現。

5G

Posted by worry